[FEH]英雄決闘を遊んで感じた良い点、悪い点

2021/12/31

FEHバージョン6.0で英雄決闘が実装されました。この記事では、私が英雄決闘をある程度(200戦以上)プレイしてみて感じた良い点、悪い点をまとめます。

英雄決闘のルールなど詳しい説明についてはこちらの公式ページのお知らせに記載されています。
https://fire-emblem-heroes.com/ja/topics/index.html?id=detail-20211206-2


完全なPvPの実現自体がFEHにとって素晴らしいこと

まず、完全なプレイヤー対プレイヤーのリアルタイム対人戦が実装された事自体がFEHにとって素晴らしい事です。

今までのFEHでは飛空城や闘技場が代表的な対戦コンテンツでした。これらは予めプレイヤーが用意した部隊やマップを自動操縦AIが操作してマッチングしたプレイヤーと戦うコンテンツで、リアルタイムでプレイヤー同士の対戦ができるようなものではありませんでした。

これまでだとFE ifにリアルタイム対人戦ができるインターネット対戦機能があったそうです(私はif未プレイなので詳しくは知りません)。TCGのサイファを除けば、英雄決闘はFE史上では2回目のPvPのリアルタイム対戦機能の実装ということになるようです。

今まではNPCと戦って獲得したスコアや時間などを競うような間接的な形でしかプレイヤー同士で対戦することはできませんでした。先日の「英雄決闘でヴェロニカと遊べる!」の公式企画のように、プレイヤー同士の直接的な対戦が成立するようになったことは、FEを通じた人と人との交流が生まれる大きなきっかけになり得ます。既に海外勢の間ではトーナメント形式の非公式大会が開かれたようです。

今後、英雄決闘が流行っていくのか廃れていくのかは誰にも分かりませんが、いずれにせよプレイヤーvsコンピューターしか存在しなかったFEHにとって今後の発展に繋がる大きな1歩であると思います。

勝敗で変動するレートがない、負けた時のペナルティがない

飛空城のようなレート制のゲームは負けることで失点するので、遊ぶ心理的ハードルが高くなりがちでした。しかし、英雄決闘では勝敗で変動するレートというものが存在しません。レートがない、つまり敗北によるペナルティがないので、手軽にプレイできます。

対人戦自体が精神的ハードルの高いものであるので、ペナルティなしにして遊ぶハードルを下げたのは本当に良い判断だと思います。

期間限定報酬がない

飛空城や闘技場のように一定期間内のスコアを競い、期間限定の成果に応じた報酬を獲得するような形式ではなく、期間無期限の推しレベルに応じた報酬があるだけです。特定のタイミングでのプレイを強制されないので、好きな時に好きなだけプレイすることができます。

そもそも英雄決闘というコンテンツ自体が合わないという人も、報酬を全て獲得するのにそれなりに遊ぶ必要はありますが、締め切りがないので無理にやる必要もありません。

期間限定報酬がないということは定期的にプレイを強制されないので、プレイ人口自体が減ってしまうという弊害はあります。このコンテンツに関してはリアルタイム対人戦という性質上、おそらくプレイを強制されると、そのストレスでFEH自体が嫌いになってしまう人も多いと思うので、個人的には期間限定報酬をなくしたことは良い判断だったのではないかと思っています。

直接的なPay to Winの仕様がない

飛空城や闘技場では限界突破数が直接スコアに影響するあからさまなPay to Win仕様があります。英雄決闘ではそもそもレートがなく、単に部隊同士の戦闘で勝った方が勝ちというだけになります。もちろん限界突破が多い方がステータスは高くなるので間接的には影響しますが、ステータスの高さは戦略で覆すことが可能なのでそんなに気になりません。また、フリー対戦では限界突破なしのルールで遊ぶこともできます。

あからさまなPay to Win仕様にして課金してもらうか、純粋にゲームを面白くする方向性で課金してもらう、の2つであれば、英雄決闘は後者の方向に倒したコンテンツであると言えます。正直どちらの方が長期的な利益に繋がるのかというのは誰にも分からないです。アンフェアな前者の方が短命である気もしつつ、Pay to Win仕様で長く続いているソシャゲも多い事からそうでもないのかなという気もします。

もしかしたら、試験的な意味もあって、今回は後者の方向に倒してみたのかもしれません。

個人的には飛空城や闘技場のPay to Win仕様はソシャゲの宿命として仕方ないと思いつつ、残念には思っていた部分ではあるので、英雄決闘でそういった仕様がないのは素直に嬉しく思いました。

ゲームのテンポ感について

英雄決闘の対戦自体はどれだけ長考するかで対戦時間はかなり変動しますが、1戦大体10分以内には終わることが多いです。マッチングも今のところはそこまで待たされないのでテンポよく連続で対戦ができます。いつでも降参もできるので、もう負けが確定したらすぐに降参で抜けられますし、それによるペナルティもないので連戦が捗ります。気づくと2時間やり続けていたりするので、時間を決めてやらないとついついやりすぎてしまうので、むしろ注意した方がいいくらいです。

ただし、ゲーム中の手番の待ち時間については、予備を含めると最大90秒まであるので、相手に長考されると少し長く感じます。これについては、テンポが悪いと感じる人もいるようですが、考える時間が必要なプレイヤー同士のリアルタイム対戦である以上、仕方がないと思います。

個人的には予備時間はいらないんじゃないかという気はするものの、この辺は人によりそうなので何とも言えないです。予備時間を消費する場合はユニットに消費時間分のダメージが発生するようにして、考える時間に対するリスクを負うようにしたらどうかなとか考えましたが、後からそのような制限を強くするような仕様変更はプレイヤーの心証を悪くしかねないので現実的には難しいと思います。

飛空城で培ったノウハウが活かされている

これまで飛空城で培ったノウハウがちゃんと反映されているのは感じました。

今は当たり前になりつつありますが、直近20戦分の対戦履歴が見れて、負け試合だけをフィルタリングして列挙できたりする機能は負け試合の分析に重宝します。

対戦履歴から対戦のリプレイが見れる機能も飛空城からちゃんと引き継がれていて嬉しいです。これがあると、試合中になんでそうなったのか分からないような事があっても後から振り返って理解できるので非常にありがたいです。

一点細かい点ではあるんですが、相手の英雄の詳細画面がリプレイ中にも見れないのは残念に思いました。試合中は時間制限があるので見れないのは仕方がないと思いますが、神竜の花の凸数などは詳細画面じゃないと見れないし、SNSでお相手のユニットが凄かったというような報告をする時に詳細画面を表示したくなるので、実装が大変でなければリプレイ中は見れるようになってほしいです。

次に部隊編成やスキルセットの設定が用意されているのもちゃんと今までの経験が活かされているなと感じました。

今では当たり前になりつつありますが、部隊編成が10編成あり、スキル固定もできます。今まで他コンテンツで使えた機能がそのまま使えるような感じになっています。

一点細かい点を挙げるとすれば、部隊編成にコピー機能はほしいと思いました。飛空城のマップ編集のときみたいに他の部隊をベースに一部だけ改造したいみたいなことがよくあるんですが、コピーがないのでユニットの選択からやらないといけないのがとても面倒に感じます。

次に練習対戦が用意されている点も飛空城のノウハウが活かされていると思いました。

ゲームの仕様確認などを行う時にありがたいです。ただ、現状だと仕様確認以上のことがあまりできないので、できれば、練習対戦で敵の編成も指定して、自軍も敵軍も自操作できるようなモードが欲しいと思いました。

フリー対戦が用意されている

英雄決闘にはフリー対戦モードが用意されています。先日行われた「英雄決闘でヴェロニカと遊べる!」のような公式企画や、ユーザーの非公式大会を開いたりできることに繋がります。

限界突破の有無や制限時間などのルールをカスタマイズできる点も良いです。ルール制限自体は少ないので今後流行るようであれば出典制限など更に細かい制限がほしいとは思いました。

それと観戦モードは早く作った方がいいと思います。フリー対戦で大会を開こうとしたときにプレイヤー画面をキャプチャーして動画配信するなどしないと試合を観戦することができないのが現状です。片方のプレイヤー画面をキャプチャーしてしまうともう一方のプレイヤー画面にしか見えない情報(ダメージプレビュー等)が相手にも見えて画面を映した側が不利になってしまう問題もあります。

むしろ、観戦モードが最初からないのは痛手かもしれないです。非公式大会を開いてみようという動きは既にあるものの、キャプチャー環境がないプレイヤーの画面を映すことができないので、対戦をみんなで見ながら盛り上がるということができません。英雄決闘の熱が冷める前に用意した方が良いと思います。

これまでのスキル設計が一部破綻してしまった

英雄決闘は飛空城や闘技場等のこれまでのコンテンツとはルールが変わって、将棋やチェスのように、自軍と敵軍の手番が交互に交代する形式になりました。これにより、今まであった自軍ターン、敵軍ターンという概念がなくなりました。

これにより一部のスキルが本来の設計通りの機能しなくなってしまいました。具体的には「各自軍ターン、各敵軍ターンそれぞれについて」はこれまでは2回発動していたスキルがターン中1回だけの発動になりました。また「ターン開始時」の効果で、今までは敵ターンで発動した封印等のターン開始時デバフを自軍ターンで回復することができたキアの杖や快癒で回復することができなくなりました。

特に個人的に残念だったのが、クロードの「落星」です。

このスキルは原作の効果をうまく再現したスキルでした。落星で自分に付与される【落星】効果は敵ターンの最初の攻撃だけ80%ダメージ軽減できますが、決闘ではこれが発動しなくなってしまいました。自軍ターン、敵軍ターンの概念がなくなったため、【落星】効果が付与される最初の戦闘で【落星】効果が切れてしまい、無意味になってしまいます。気づくのに結構時間かかりました。これについて問い合わせてみたのですが、回答としては想定した動作であるとのことでした。せっかく原作スキルをうまくFEHに落とし込んだ素晴らしい効果だったので、闘技場系コンテンツの決定版とも言える英雄決闘でその設計が破綻してしまったのは非常に残念に思いました。特にクロードは自分が風花で一番好きなキャラだっただけに余計に残念でした。これについては問い合わせた際に要望としては伝えたので、今後何か改善されることを期待したいです。

【落星】効果が有効だと伝承クロードが強すぎるという声もありますが、そもそも伝承クロードはもとから強くて、そして元から強いのは伝承クロードに限った話ではないので、一部の強キャラだけ相対的にナーフされる理由にはならないと思います。もちろん、ルール変更に伴って一部スキルが強すぎたから強すぎる効果を意図してナーフしたのであれば違和感はありません。

マッチングについて

Twitterで英雄決闘のマッチングについて問い合わせした方がいて、マッチング方式の概要は分かりました。

https://twitter.com/Acker_FEH/status/1473496555978387456?s=20

  • マッチングは勝敗に基づいた実力で判定される
  • 推しレベルは関係ない
  • 具体的な基準は教えられない

つまり、見えない内部レートがあって、それが勝敗によって変動しており、近いレートの人とマッチングするようになっているようです。

これは一見妥当なマッチング方法に思えますが、十分なプレイ人口がいない場合には同じ人とばかりマッチングしやすくなるという弊害があります。実際、英雄決闘を遊んでいると同じ人と連続でマッチングすることがよくあります。2連続どころか3連続、4連続と同じ人とマッチングする事があります。勝敗による内部レートは高くなるほど人口が少なくなる性質があるので、ただでさえ人口が多いとは言えない英雄決闘で多く勝ってしまうと同じ人としかマッチングしなくなり、他の人と対戦するにはわざと負けてレートを下げるという行為をしなければならなくなります。

手の内がある程度わかってしまった同じ人とマッチングしてもあまり面白くないので、連続でマッチングした場合はスキップするためにわざと降参したりします。プレイ人口自体が少ないと中々難しいとは思いますが、少なくとも連続で同じ人とのマッチングはできるだけ避けるような改善はしてほしいと思いました。

また、マッチング制限の指定が制限なしとストーリー3部までの2種類しかないのも問題視する声があります。これはインフレによりキャラ性能格差が開いていて、特定のキャラに使用キャラが偏っている現状から、編成の自由度が失われていると感じている人達がおり、その方々から出てきている声です。今のところ、3部までに制限したところで一部の武器錬成で化けたキャラが著しく強い状況で、特定キャラに使用率が偏る状況は十分には緩和されていません。

別の項目で書いていますが、より細かいマッチング制限を用意してしまうとマッチングしにくさに繋がってしまうので、マッチング優先度を設けたらどうかとは思っています。

通信断の復帰処理について

通信断が発生すると30秒復帰待ち状態になります。私が初めて英雄決闘を遊んだときは3時間の間に5回ほど、お相手の負けが確定したタイミングで通信断が発生して、それにより30秒待たされてストレスに感じました。意図的な切断だったのかどうかは分かりませんが、頻度が多いと負けそうになった時に意図的に切断しているように感じてしまいます。その時は切断した側ではなく、切断された側が30秒待たされるというのが不公平に感じたので、復帰待ち処理はなくした方がいいんじゃないかと思いました。

しかし、ツイッター上で色々な意見や通信断の起きるシチュエーションを教えて貰って、一概に復帰待ち処理をなくした方がいいとは言えないと思いました。

  • アプリが突然落ちた場合、30秒あればギリギリ復帰できる場合があった
    • アラームが鳴るとFEHが落ちるという事例があった
    • 間違って他端末のFEHボタンを押してしまった
    • 端末の電池切れ(他端末で即起動すれば間に合うかも?)
  • 海外の通信環境の事情

加えて、その後長い期間でプレイしていますが8時間遊んで1回、もしくは0回程度の頻度なので、負けが確定して意図的に切断するようなプレイヤーはそういないという事が分かりました。初めて遊んだときはたまたま多かっただけだったようです。英雄決闘は同じ人とマッチングしやすいので、もしかしたら、意図的に切断する人と何度もマッチングして多く感じただけなのかもしれません。

なので、復帰待ち処理については今のところは現状維持で良いのかなと思います。

英雄決闘におまかせ周回はあるべきか?

英雄決闘をしているとおまかせで周回してる人と当たる事があります。また、ツイッター上でもおまかせ周回機能が欲しいという意見を見た事があります。

なぜこのような要求が生まれているかというと、英雄決闘自体には興味がないが、推しレベルの達成報酬だけ欲しいという人が楽に報酬を獲得できるようにしたいというところからこの要求が生まれてきています。

私は手動で推しレベル1000まで一気に上げましたが、大体8時間くらいかかりました。相当大変でした。英雄決闘が面白くない人にとってはかなりの苦行でしょう。本来は毎日少しずつプレイしていれば長い期間かけて1000まで達成するのは容易であり、そのような設計になっていると思うんですが、すぐに獲得できる報酬はすぐに獲得したくなってしまうのが人の性でもあります。

かと言っておまかせ周回機能なんて実装してしまうと、普通に遊びたい人のノイズになってしまいます。また、最初は興味なかったけど報酬につられて遊んでみたら実は面白かったというような事もあるので、英雄決闘に興味がない人がコンテンツに触れる機会があるのは意味があることです。その機会が失われてしまうのは見方によってはマイナス効果とも取れます。

  • おまかせ周回勢が普通にプレイしたい人のノイズになる
  • 英雄決闘に興味を持ってもらえる機会を失う

これらの2点から、個人的にはおまかせ周回機能はない方がいいと思います。

「推し」という言葉のゴリ推し

「推し」という言葉を運営サイドが使うのは最初違和感を感じました。それも一般的な言葉として少し使う程度ではなく、「推しレベル」という新たな用語まで作るくらいにがっつり使っています。一番違和感を感じたのはFEHからのお知らせ通知で以下のメッセージがあったときです。

【英雄決闘開幕!】全世界の召喚師と、友達と・・・大好きな「推し」の英雄で戦おう!

この「推し」の強調具合、君たちは推しを活躍させて遊ぶのが好きなんだろ?と言わんばかりのメッセージ。ツイッター上では「友達と遊んでいるところに突然父親が割り込んで参加しようとしてくる時みたい」「今まで堅物だった先生がサングラスでウェーイと近づいてくる感じ」というような例えをいただきました。めちゃくちゃ首を縦に振って頷きました。

という私ですが、ある程度時間が経った今では、もうこの言葉に慣れてしまい、気にならなくなりました。

言葉自体は慣れの問題なのかもしれませんが、「推しレベル」が設けられてしまった以上、このゲームで「推し」を名乗るには英雄対戦を遊んで推しレベルを上げないといけないという感じにも受け取れてしまうので、「推し」の在り方を公式に強制されているような感じはどうしても拭えません。不快な人には不快だと思います。

他人の推し英雄のビルドがたくさん見れる

推し英雄一覧から自分の持っているキャラであれば、各英雄の推しレベルのランキングを閲覧することができます。今まではキャラ毎のランキングというのものがなかったので、キャラ毎に他人のビルドを見るような場がなかったのですが、推しレベルのランキングによって閲覧可能になりました。

これは開発の本来の狙いというより、ランキング化の副作用的な部分で偶然そのようになったのかもしれませんが、これについては素晴らしいという意見をたくさん目にしています。喜んでいる人はかなり多そうです。色々なキャラの他人のスキル構成を眺めるだけでもかなり時間が潰せます。

少々細かい点ではありますが、惜しい点は持っていないキャラについては推しレベルランキングを閲覧できないことです。自分の持っていないキャラを将来入手する機会があった時、他の人がどんなスキルで使っているのかを事前に閲覧できるのはとても参考になりますし、自分の持っていないマイナーキャラや決闘で出会った面白いキャラ、強かったキャラについてもスキル構成を眺めてみたくなることはあります。未所持キャラについてもランキングを閲覧できるようになると嬉しいです。

護り手や再移動など特定の要素が著しく強い

英雄決闘を遊んでいると以下の要素が著しく強く感じます。

  • 5マス攻撃射程(間接騎馬と同等の射程)
  • 再行動
  • 再移動
  • 護り手
  • 比翼、双界スキル
  • ワープや移動マス数変動効果

これらが一切ない編成で、これらが全て揃った編成に勝つのはかなり難しいと思います。全て揃った編成ばかりという訳ではないですが、ある程度揃ってる編成を使用している人は多いです。

護り手や再移動が強いのは英雄決闘に限った話ではないですが、シンプルに護り手で固めながら少しずつ前線を上げて、再移動持ちのアタッカーでヒット&アウェイして護り手圏内に戻る戦法はお手軽な上に非常に強くて、相手の護り手を倒す手段が手持ちにないと一方的に負けます。倒せても一撃で倒せない場合は2手以上必要になって、敵1体に対して相当なリスクを負わなければならなくて大きく不利になります。そのため、色々な護り手に対して対策していない限りは護り手を倒せるかどうかの相性ゲーになりやすいです。近間と遠間のW護り手は使用禁止にして弱点を作ったのは評価しますが、結局攻撃射程が重要なゲームであるので射程の短い近接アタッカーよりも射程の長い間接アタッカーを採用することになり、結果的に護り手・遠間がささりやすい環境が生まれてしまっています。護り手ありの編成に対してなしの編成で挑むはフェアな感じがしなくて、勝てたとしてもかなりのストレスです。

とは言え、護り手、再移動のようなお手軽に強いスキルは、スマホゲーにおいてはライト層向けに必要なスキルであるし、護り手がなかったら重装の活躍が難しくなってしまうので、使用禁止はやりすぎかなと思う部分もあります。全体としてどうするのが最適かと言われると難しい話です。

護り手を無視して攻撃できたり、攻撃された時に再移動を無効化するような明確なメタスキルがあれば、護り手や再移動の有無に関わらず、もう少しフェアに感じる対戦ができるようになるかもしれません。

いずれにせよ、現状では編成を縛る場合もこれらの強力な要素はある程度意識する必要があって、ある意味、これらの要素を編成に組み込むことを強制されているような側面があります。これらの要素の中で明確な対策が存在するものもありますが、ないものもあります。特定の要素が著しく強い環境は、編成の自由度低下に繋がってしまうので、先ほども述べた通り、明確な対策スキルなどを実装して、特定の要素が著しく強い状況を緩和していく必要があるのかもしれません。

比翼、双界スキルで手番をスキップできてしまう

前の項目で比翼、双界スキルを著しく強い要素として挙げましたが、これは比翼、双界スキルそのものが強いというよりも、その副作用が強いという意味で挙げました。

英雄決闘では自軍と敵軍で手番が順番に回ってきます。そして、比翼双界スキルの実行は1回分の手番を消費して実行する事になります。つまり、比翼双界スキルを使う事で手番をスキップすることができます。

敵軍に最大射程で勝っていない限りは射程外から敵を攻撃するために2手必要になります。1手目で敵の攻撃範囲内に入り、そのまま敵に手番が回るので、敵の攻撃で一撃で落ちないユニットでない限りは攻めようとしたユニットが倒される事になります。敢えて敵のアタッカーを釣るために敵の攻撃範囲に入れるということもありますが、固定数再移動持ちのアタッカーが流行っている現環境では釣ろうとしてもヒット&アウェイされて護り手圏内に退避されてしまうので、相手の編成次第では釣りも難しい状況が生まれます。

こういった状況ではお互いに睨み合いが発生します。射程の長いユニットで相手を威嚇しつつ、射程のないユニットを互いに行動終了させて手番を回していく形になります。

ここで比翼、双界スキルを使う事で自軍ユニットを行動終了させずに相手に手番を回すことができます。スキップする事で、自軍は行動可能なキャラを維持したまま、敵には行動を強制することができるのです。これにより、再行動をしていないのに敵より行動可能なキャラが多い状態を作る事が出来ます。

1ターンの手番は最大6なので、6を超える行動は意味がなくなりますが、ある程度人数が減ってくると、敵は全員行動済みなのに、スキップすることで自軍は行動可能なユニットが2体みたいな状態を作り、一方的に攻撃することができます。手番をより多く残した方が次のターンで先制にはなりますが、再移動持ちでヒット&アウェイされてしまうと、人数不利で先に手番を消費しなければならないという余計に不利な状況が生まれてしまいます。

このように、比翼、双界スキルが、英雄決闘の手番を1つ消費するという仕様の副作用で手番をスキップするような使い方ができてしまうのは、意図されていた設計なのかは疑問です。この仕様があることにより、比翼双界スキルを編成に組み込んでいないと、組み込んだ相手に当たった時に不利になってしまいます。

考えられる対策は以下です。

  • 各ターンの手番の最大数を6固定とするのではなく、ターン開始時の敵軍、自軍の最大編成人数+1とする
    • これにより、手番のスキップ自体の意味が薄れて、一方的に不利な状況は生まれなくなります
  • 敵の比翼双界スキルを使用不可にするような隊長スキルを用意する

しかし、これを想定した上で設計しているとしたら改善される望みは薄いと思います。

同様の事は再行動にも言えるのですが、再行動は原作からありますし、そういうコンセプトのスキルなので違和感はありません。再行動を使用するためには行動済みのユニットが必ず必要でありますが、双界比翼スキルは使用条件の制約が特にないのも違和感があります。

メインの効果ではなく、その副作用としての手番スキップが、再行動、もしくはそれ以上の効果を持ってしまうのが違和感を覚えるという話ですので、比翼、双界スキルそのものの効果の強さは、特別な力を持った比翼双界英雄の特権として使用できても構わないと思います。しかし、英雄決闘での編成の自由度を上げて色々な編成で楽しめる環境にするならば、もう英雄決闘では比翼、双界スキルそのものが禁止になった方が良いとは思います。現実的には後から禁止は無理だと思うので、先ほど挙げたような折衷案が妥当かなと思います。

近接ユニットの耐久補正付与の良い面、悪い面

英雄決闘では近接ユニットが間接ユニットから攻撃を受けた時に守備、魔防+7の戦闘中の耐久補正が設けられています。他のコンテンツで不遇な近接ユニットへの優遇によりバランス調整として設けられたと思われます。

これにより、回避剣士などが簡単に倒せなくなりました。例えば、私は先日、第1世代である仮面マルスを子供ヒーニアスや忍者カムイなどの最新キャラで全然ダメージを与えられずに敗北して驚きました。

他コンテンツで中々活躍できなかった歩行剣士などが活躍できるようになったのは良い事だと思います。しかし、それに伴ってもともと強かった覇骸エーデルガルトや開花フィヨルム、総選挙ヘクトルなども更に強くなってしまいました。

日の目を見る事がなかったキャラが活躍できるようになった反面、元から強かった特定のキャラも異常に強くなってしまい、更にヘイトを買う形となりました。バランス調整は難しいと感じさせられます。

使用キャラに偏りがあり、編成の自由度が低い

以下は海外勢がアンケート調査で制限なし対戦300編成、3部以下制限75編成の英雄決闘のキャラ使用率を調べた調査結果です(2021/12/10に投稿されたものです)。

https://www.reddit.com/r/OrderOfHeroes/comments/rcxslg/overused_tier_based_on_a_sample_of_300_teams/

制限なしでは総選挙エイリークやユーリスに著しく偏りがあるのが分かります。その他のキャラも10%を超えるようなキャラが多く、一部キャラの使用率の偏りの大きさが伺えます。

結局、多少のバランス調整をしたところで、特定キャラが著しく強い状況は変えられないので、使用キャラに偏りが生じるのは、全てのゲームモードで同じキャラを使用可能とする場合は仕方がないことではあります。自分の推し英雄が強ければ問題はないですが、そうでない場合は「推し英雄で戦おう!」が「推し英雄を強ユニットで守ろう!」になってしまっている感は否めないです。

また、使用率の高いキャラはそれだけ強いということなので、勝率を上げようとすれば、どうしてもそれらのキャラへの対策が必要になります。スキルだけで対策できればいいですが、対策には専用の対策キャラを使用しなければいけなかったりする事も多いです。当たり前の事ではあるんですが、勝率を上げようとすればするほど、編成の自由度は低くなっていきます。

出典統一編成を組んで好きなキャラで遊ぼうと思ったら、ガチパに一方的に叩き潰される対戦ばかりでやる気を失ってしまう人は少なからずいると思います。これはスマホゲーである以上、ある程度仕方ない部分でもあります。

  • 新キャラを欲しいと思ってもらうために、課金を煽るようなインフレが必要
  • 手軽さが求められるスマホゲーではPvEコンテンツを手軽にクリアするために特別に強いキャラも必要

PvEでは敵キャラの強さを調整可能なので、特定のキャラが著しく強いのをプレイヤーが不快に感じることは少ないですが、PvPでは理不尽な強さを持つユニットが敵になり得るので、バランスの悪さを感じやすくなってしまいます。

以下は私が実際にプレイしていてよく見かける強ユニットです。
  • 覇骸エーデルガルト
    • 近接補正で更に耐久が盛られてしまった化け物
    • ハピで対策しようとしたけど、ハピですら返り討ちにされる事もある
    • 対策してないと、ただ前に置かれるだけで詰むケースがあり、非常に悲しくなる
  • 竜鱗障壁持ちの春ミルラ、ノノ、ファなどの高耐久竜ユニット
    • 単純にダメージが通らなくて倒せない
  • 護り手
    • 総選挙エーデルガルト
    • 開花フィヨルム
    • 総選挙ヘクトル
    • 伝承チキ
  • 回避剣士
    • 近接の耐久補正もあって思いのほか間接ユニットからのダメージが通らなくなる
    • 仮面マルス、ロンクーなどの神装のない初期キャラも例外ではない
  • お手軽に当て逃げできる長射程の固定数再移動持ち
    • 近接再移動(3)
      • レギン
      • オッテル
    • 間接再移動(2)
      • ユーリス
      • エイトリ
    • 近接再移動(2)
      • 総選挙エイリーク(火力も耐久力も機動力もトップクラス)
      • 水着シーダ
      • 外伝パオラ(意外とよく見かける。高火力、高耐久)
    • 間接再移動(1)
      • 聖祭リーフ
    • 制限なしマッチングでは伝承エフラムとスミアはなぜか見かけない
  • 伝承シグルド
    • 殴られたら敵全体の射程が伸びるので面倒極まりない
    • おまけに高火力、高耐久

前の項目でも述べましたが、特に再移動持ちのアタッカーを引き連れて護り手でじわじわ詰めてくる戦法はお手軽でかなり強いです。再移動については汎用スキルの遠影、近影がありますが、専用スキルで固定マス数再移動できるユニットの方がより有利に戦えるので、どうしても一部ユニットの使用率が高くなってしまいます。

本当は推しパ、出典統一パで戦いたい、だけど、ガチパが多いからそれに対抗するためにしかたなく編成に強キャラを入れている、というような人は多いんじゃないかと思います。現状は完全に好きなキャラだけで編成を組んでも、理不尽に負ける展開になりやすいのは否めないです。

理不尽な思いをしたくないなら、自軍にも人権ユニットを組み込んだ方がいいです。

編成の自由度を上げるにはどうすればいいのか

今よりもっと編成の自由度を上げる解決策はいくつか考えられます。

まず、1つ目はシンプルに著しく強いスキルやユニットへのメタスキルを用意して、バランス調整することです。著しく強い要素が減れば自ずと編成の自由度は上がるはずです。

2つ目に考えられるのは自分が遊びたい制限やルール上で遊んでくれる相手とのマッチングをしやすくすることです。シンプルに考えるとマッチング制限を増やすことが挙げられますが、これはマッチング自体がしにくくなる副作用があり、同じ人と何回もマッチングしてしまうような今のプレイ人口の少なさを鑑みると、得策ではないように思います。現状の制限なし、3部以下制限ぐらいがちょうどよい落としどころなのかなという気もします。

そこで、完全なマッチング制限ではなく、マッチング優先条件を設けるというのが良いのではないかと思いました。

  • もし指定した条件を満たしたプレイヤーがいるならその人と優先的にマッチングする
  • いなければ、条件を満たさないプレイヤーともマッチングする

これなら、マッチングしにくくなってしまう副作用は避けつつ、ガチパとばかりマッチングするような問題も避けられるようになるかもしれません。

3つ目はシーズン限定で強くなるボーナスキャラのようなものを設ける、もしくは特定の制限に合った編成を組むとボーナス補正が入るなど、シーズン毎に普段日の目を見ないユニットが強くなる仕組みを設ける事です。これは今まで闘技場でも飛空城でも取り入れてきたやり方で、特に飛空城においては今まで使ったことがないキャラを使ってみるきっかけにもなっていて良い仕組みだったと思います。今は神階ボーナスが生まれてしまい、その効果は失われてしまいましたが。

4つ目は野良マッチングでの偏り解消を諦めて、フリー対戦で自由な編成で戦う事です。結局、FEHというゲームはスマホゲーであるので、今後もインフレして、著しく強い要素は新たに登場していくことを考えると、現環境でのバランス調整はその場凌ぎの付け焼刃に終わる可能性があります。野良マッチングでのバランス調整はもう諦めてしまって、フリー対戦モードをもっと遊びやすくして、プレイヤーが非公式大会を開くなりで、参加者に適した制限を選んで遊ぶ方向で解決していくという案も考えられます。

そもそも著しく強い要素があることは悪いことなのか

散々ゲームバランスについて問題点を挙げた後に言う事ではないかもしれませんが、そもそも、著しく強い要素、理不尽な要素があることは悪い事なのかについて少し考えてみます。

FEHは競技ではなく、エンターテインメントです。ゲーム開発者はプレイヤーが楽しいと感じて、ゲームにお金を落としてくれるようにしていく事が仕事です。競技性を追求するのであれば、著しく強い要素は排除して平等にしていくべきですが、エンターテインメントとしてプレイヤーが楽しいと感じるようにするにはそれが正解とは限りません。

競技性が高くなればなるほど、運要素は減っていき、自分の実力が体感しやすくなります。つまり、自分が弱いという事実を体感しやすくなっていきます。逆に競技性が低ければ、良い意味でプレイヤーは井の中の蛙でいることができます。

別のゲームでの例えになりますが、マリオカートなんかはよくできていると思います。ある程度実力は反映するものの、サンダーやスター、キラーと言った理不尽に強い要素があるおかげで、弱者でも強者に勝つことがあり、多くの人が楽しめるという意味でエンターテインメントとして優れています。これがもしシビアなゲーム性だったとしたら、こんなにも多くのファンを獲得する事はできなかったと思います。

  • 競技性が高いほど、自分の弱さを体感しやすくなる
  • 理不尽に勝つ場合、自分が強いと錯覚して気持ちよくなれる、自分の弱さに気づきにくくなる
  • 理不尽に負ける場合、それは自分が弱いからではなく、理不尽な要素で負けたのだから仕方がないことだと責任転換する口実になる

このように著しく強い、理不尽な要素というのものはエンターテインメントとして見た場合は良い側面もあって、英雄決闘において一概にこういった要素をすべて排除していくのが正解であるとは言えないです。

ただ、理不尽に負ける体験というのは決して気持ちの良いものではなく、特にゲームに競技性を求めているようなプレイヤーからするととても不快に感じるので、そういった視点からは排除していくべきとも言えて、プレイヤーによって答えの異なるこれらの要素の落としどころというのは非常に難しいものだと思います。

正解が誰にも分からないことなので、英雄決闘をFEHの中で競技性の高いコンテンツとして育てていくのか、あくまでお手軽に対人戦が楽しめるスマホゲーのコンテンツとして育てていくのかは開発の方針次第なのかなと思います。


思った事を書き綴っていったら非常に長くなってしまいましたが、英雄決闘をある程度プレイした感想は以上になります。


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