ロゴ メインコンテンツへ
RSSフィード
「ゲーム」に関連する記事一覧

今更オクトパストラベラーの感想(ネタバレあり)

2018/11/15
(この記事の文字数: 6114)

オクトパストラベラーパッケージ

今年の7月13日に発売したオクトパストラベラー、発売日に買って2週間ほど(80時間ほど)で隠しボスまでをクリアしました。プレイしてから大分時間が経ってしまっていて今更感がありますが、オクトパストラベラーの感想を残しておこうと思います。

記事にはネタバレを含みますのでご注意を。

全体的な感想

まず、このゲームに自分の中で点数をつけるとしたら 85 点くらいかなという感じです。神ゲーというほどではないにせよストーリー、音楽、戦闘システム、グラフィックスはよく出来ていて、次回作が出たら買うレベルに面白いゲームではありました。

あと、Nintendo Switch でプレイできるのも良かったです。ベッドでもプレイできるし、気軽に遊ぶのに向いているゲームでした。

ゲームのストーリー全体を通した私の心情の変化は以下のような感じでした。

  1. 1章の出だしはこれから待ってる冒険にわくわく。音楽が良くて感動。戦闘も楽しい
  2. 2章でジョブチェンジできるようになり、より戦闘や育成が楽しくなってくる
  3. 3章辺りでストーリーがありきたりに感じる。先が読めてしまったり、中身が薄かったり同じパターンの繰り返しでちょっと飽きてくる
  4. 4章は惰性でクリア、途中で8人のストーリーが交差することを期待していたが、そんなことなく、ありきたりなストーリー展開のままエンディングを迎える。正直、この時点では大分評価低い
  5. 8人のストーリークリア後、これで終わりかと落胆しつつ、やめようか迷ったが惰性でサブストーリー消化を始める
  6. サブストーリー消化していたら、どうでも良さそうなサブストーリーからメインストーリーの核心に迫るような展開が発生
  7. その展開の先に、私が期待していたストーリーのフラグ回収が待っていて、落ち切っていたテンションが爆上げ、一気に評価が上がる

このように一度落とされてから上げられたような感じでした。最後に上がって終わってくれて良かったです。満足して終われました。もしサブストーリー消化しなかったら、下手したら、隠しボスの存在にも気づかずに手放してしまっていたかもしれませんね。

先ほど書いたように、ストーリー展開のシステマチックさ、パターン感を感じざるを得なかったのは残念ではありました。同じような枠組みで、量産しやすい型の上で制作された感があり、8人分のストーリーが似たような個別の物語を体験しているような、開発の効率化の枠組みが垣間見えてくるような感じがしてしまいました。

だからこそこの8人分を4章分というボリュームを実現できたのだと思いますが、もっとボリューム薄くていいので、各キャラクターの合同ストーリーとか、そういうイレギュラーな展開があった方がよかったと思います。

とはいえ、サブストーリー全部回収するくらいには面白いゲームでした。

グラフィックスについて

オクトパストラベラーグラフィックス

紹介映像を見た時のグラフィックスの第一印象はペーパーマリオのリッチ版?みたいな印象で、3Dのフィールドに2Dのキャラが浮いてみてしまい、そこまで強い魅力を感じませんでした。

ただ、実際にプレイしてみると、特に浮いているような感じはなく、背景にうまくなじんでいたように感じました。ポストエフェクトもうまく生きていて、2Dっぽさが懐かしいような、だけど新鮮なような感じが良かったです。HD-2D というコンセプト通りの絵作りができていたのではないでしょうか。

すごく細かい点ですが、森のフィールドで手前の木々の解像度の低い画像がとても汚かったのは気になりました。途中で慣れて何も感じなくなりましたが。

それ以外は特に気になるところもなく、次回作も同じテイストで作ってくれたら十分満足いくレベルのグラフィックスです。

音楽について

オクトパストラベラー音楽

音楽は言うことないです。どの音楽もずっと聞いていたくなるようないい音楽ばかりでした。

こんな贅沢な音楽がフィールドBGMなんて勿体ない、と思うほど作りこまれていたように感じました。

また、特定の町専用の音楽があったり、使いまわし感をあまり感じさせない工夫がされていたように感じます。特に通常戦闘BGMが章が進むにつれて変化するのは、章が変わった時に新鮮さを与えてくれて、とても良い工夫だと思いました。

おそらく、開発側でも章を追うごとにマンネリ感を感じてしまう問題を認識していて、それを打開する試行錯誤があったのではないかと思います。

音楽については満点でもいいと思います。

通常戦闘について

オクトパストラベラー通常戦闘

戦闘については魔法ゲーであることに気づかず進めてしまった私みたいな人だと、雑魚敵一戦一戦にとても時間がかかってしまい、途中で嫌になるレベルでした。私のメインパーティーはハンイット、オルベリク、オフィーリア、テリオンでした。

戦闘システムは基本的に弱点をついて相手を倒すようなゲームで、弱点を一定回数つくとブレイクを取ることができます。ブレイク中はダメージ量が大幅に増加します。よって、様々な種類の弱点をつける、複数の敵の弱点を同時につける、複数回連続で弱点をつける、というのが非常に重要です。

これがボス戦だけではなく、雑魚敵でも弱点をついてブレイクをとらないと中々倒せないというのがしんどかったです。

ボス戦についてはそういう駆け引きがあって長引くのはいいのですが、雑魚敵は適当に戦って倒せるレベルであってほしかったです。一戦一戦が重いので、マンネリ化したストーリーと相まって飽きを増幅させてしまう要因になっていたと思います。

序盤で魔法ゲーであることに気づいた友人は、戦闘では苦労しなかったと言っていました。むしろ、魔法を使うと強すぎてワンパターンヌルゲーになってつまらないと言っていました。

魔法がなぜ強いかというと全体攻撃、多くの種類の弱点をつける、連続化できる、攻撃性能も高い、というこのゲームの戦闘における重要な要素をすべて兼ね備えているからです。魔法持ちのサイラスをパーティーに入れるか入れないかで難易度が大分変わります。サイラスはおまけに弱点を見抜く特性つきですからね。

魔法を使わないと高難易度(というか面倒)、使うとワンパターンヌルゲーという極端なバランスはどうにかならなかったのでしょうか。それとも、戦闘が面倒な人用に敢えてお手軽に戦闘を終わらせる方法を用意していたのでしょうか。

この辺の真意は利用者からはわからないですね。

ボス戦について

オクトパストラベラーボス戦

ボス戦については魔法ゲーに気づいていない私でも、ぎりぎり倒せるラインでちょうどいいバランスだったように感じました。ボス戦は非常に楽しめました。

ただ、私はジョブをハンターと商人の2種類しか回収せずにクリアしたので、もっとたくさん回収していたら、ぬるめのバランスになっていたのかもしれません。

隠しボスについては、さすがに鬼畜過ぎると思いました。隠しボスなら鬼畜で当然という気もするのですが、オクトパストラベラーの場合は隠しボスって感じじゃなく、物語の真のラスボスって感じだったので、この鬼畜なボスを倒さないと物語が終わらないというところが、必須感があってつらかったです。

開発者が隠しボスだからとFFの隠しボスみたいに鬼畜にして自己満している姿を想像してしまいました。

ただ、ちゃんと全員レベル70くらいまで上げて、敵の行動パターンを把握し、BP回復のザクロを惜しみなく使い、トレサのチート技である拡散ルーン+緊急回避を使ったら、時間はかかるけど難なく倒せる感じではあったので、開発者の自己満ではなく、実はそういう風に計算して作られたのかも?とも少し思いました。

まぁ、2回目でも結局ボス連戦合わせて2時間半かかったので、やはり普通ではないですよね。1日2時間しかゲームできない小学生とかだとクリアできないですしね。笑

真意はわからないですが、初見殺しで、かつ、その初見殺しがセーブできないところで長時間ボス連戦を強いられた後に来るので、そこで不快感は感じる人は多いように思います。隠しボスと言いつつ、ストーリーの真のラスボスという位置づけにあるボスなので、このお馴染みの隠しボス鬼畜仕様にしたのは良くなかったと思います。

フィールドコマンドやキャラ特性について

オクトパストラベラーフィールドコマンド

フィールドコマンドという仕組み自体については面白かったです。盗むが特に楽しい。町に行ったらとりあえず全員から盗みまくる。レアアイテム持ちにセーブして何度もトライするのも楽しかったです。まぁ、盗む以外は特に必要最低限にしかフィールドコマンド使おうと思いませんでしたが、使わないキャラも育てるきっかけになるのも良いと思いました。

8種類のフィールドコマンドと言いつつ、実質4種類でしたが。これは最初残念に思いましたが、全員固有のものにしてしまうと、パーティー変更が多くなってしまいそうなので、仕方ない気もしました。

それと序盤はキャラのフィールドコマンドについてよくわかっていなかったので、同種類のフィールドコマンド持ちを2人メインパーティーに組み込んでしまい、バランス悪いパーティーで少しきつかったです。

経験値が8人全員に入る仕様だったら、フィールドコマンドを使うためにレベル上げの必要もなくなって、途中でメインパーティー変えられない問題含めて色々問題が解決しそうな気もしますが、酒場にいるパーティーに経験値が入るのも意味不明ですしね。

キャラ特性についても個性があるのはいいと面白いと思ったのですが、テリオンしか開けられない宝箱があるせいでテリオンをメインパーティーに入れざるを得ないというのが自由度が縛られて、うーむ、という感じでした。

あと先ほども書きましたが、サイラスの弱点見抜く特性が戦闘で重要すぎて、戦闘がサイラスゲーに陥っていたのも、うーむ、という感じでした。

システム面

オクトパストラベラーシステム

システム面に大きな不満はないですが、以下の点だけ次回作では改善を期待します。

  • ジョブを変更すると武器が外れてしまう
  • 武器をオススメ装備機能で、物攻、属攻の区別なしで攻撃力の高い方を選んでしまう
  • サブストーリーの進捗を示す旗の長さが全サブストーリー回収しても地方によってばらばらで進捗把握の役割を果たしていない

1つ目については、スキルを習得するのに一時的にジョブを変更するということがよくあったので、そのときに元のジョブに戻して、武器もセットし直さないといけないのが非常に面倒でした。

2つ目については、正直物攻、属攻の区別なしで選ばれると、使い物にならなかったので使用しなかったです。物理最強とか、属攻最強とかで区別して自動装備する機能がほしかった。

ストーリーについて(盛大なネタバレあり)

オクトパストラベラーストーリー

冒頭で書いた通り、8人の個別のメインストーリーは序盤までは良かったのですが、進めていくと内容の薄さを感じたり、ありきたりなものが多くて途中で飽きてしまいました。特に3章でラスボスがほぼ確定して、4章はストーリー的などんでん返しもなく、ただそのラスボスを倒しに行くだけなパターンが多かったので、4章の作業感を増長させてしまっていたと思います。唯一最後まで飽きなかったのは、この物語の一番核心に迫っていたサイラスのストーリーでした。

フィニスの門までたどり着くか、たどり着かないかでストーリーの評価は大きく分かれると思います。フィニスの門、すごくわかりにくいし気づかない人多そうです.。

では、各キャラごとのストーリーについて簡単に振り返ってみようと思います。

オルベリク

起承転結がはっきりしていてメリハリはあったのは良かったです。ただ、正直、地名とか、王国でどういう立場であったのか、人間関係などがフィニスの門に行くまでよくわかっていなかった。わかった上でプレイできていたらもっと楽しめたように思います。

プリムロゼ

1章では割と先が気になる感じではありました。ただ、3章でぽっと出てきたシメオンがラスボスになるのはこじつけ感があったし、登場時点で怪しさ満点だったので先が読めてしまいました。シメオンはもう少し序盤からいた方が怪しさがなかった気もします。あと、親父が殺される現場に居合わせて、その犯人が普段よく見ている恋人であることに気づかないのかという点も違和感を感じてしまいました。何か気づけなかった理由づけが欲しかったです。

トレサ

手帳の持ち主の存在だけが重要で、伏線をこじ付けたストーリーが薄っぺらい印象です。クロム・クロスフォードがアーフェンのストーリーと繋がったのはわかりやすくて1歩目の伏線回収としては良い役割ではありました。

アーフェン

こちらもトレサと同様、わかりやすく印象に残りやすい伏線を与える上ではよい役割ではありましたが、メインストーリー自体は薄っぺらい印象です。ハーゲンのキャラ設定や登場するタイミングなどはとても良かったです。

ハンイット

メインストーリーは謎が残ったまま終わってモヤモヤしたが、フィニスの門で赤目の正体がわかったときは鳥肌が立ちました。伏線回収の中で一番予想外でした。メインストーリーでハンイットが感情を読めないとかそういう伏線がちゃんとあったのも良かったです。

テリオン

伏線としての印象は大分薄い竜石がメインストーリーでも置物でしかなかったので、3章辺りで竜石の力が暴走するなりしてどうにかなってくれたら面白かったと思います。友に裏切られる系のストーリー自体はありきたりな感じがしてしました。

サイラス

割と序盤からシリアスな、ミステリアスな内容が多く、先が読めなくて続きが気になるストーリーでした。物語の核心に一番迫ったストーリーだったので終わった後にこれで終わっちゃうのかよ感はありましたが、ちゃんとフィニスの門まで行けて安心しました。

オフィーリア

リアナのファザコンレベルが高すぎました。子供の死とかなら執着するのは共感できますが、年老いた親父が亡くなって、是が非でも生き返らせたいと願う気持ちはちょっと共感できなかったです。

8人の物語の交差

買ったときから、8人の物語がどこかで交差して化学反応を起こしていくような展開を期待していたので、できれば隠しではなく、ちゃんとメインストーリーで絡んでほしかった。5章を用意するなりで、フィニスの門で文章で済ませたフラグ回収を、ちゃんとイベントで回収するような形になっていたら、もっと評価爆上がりの神ゲー認定していたと思います。

フラグ回収があったのは救いですが、ストーリーで超重要な部分を文章で済ませてしまうのはもったいなかったです。

どうでもいいんですが、サブストーリーでドラゴンの卵を育てるって人気のないところに旅立ったアメリちゃんの続きだけがとても気になりました。世界中の人気のなさそうなところを探し回りましたがいませんでした。笑

特に何も続きなし?次回作で回収されることを期待します。

総括

色々長々と良かった点、悪かった点を挙げましたが、全体を通して非常に面白いゲームであったことは間違いありません。最後までプレイしないRPGもある中、80時間もプレイしてサブストーリーも全回収している時点で大分はまってますね。

次回作についてスクエニでは検討を始めているという話も出てるので、次回作楽しみにしています。


  このエントリーをはてなブックマークに追加  

<<「ゲーム」の記事一覧に戻る

コメント(0 件)



コンテンツロード: 0.0084 sec
Copyright(C)2006-2024 puarts All Rights Reserved