ネット上で「久石譲の曲になる条件」という題で研究成果のpdfが上がっているのを見つけました。久石譲ファンにとってはとても興味深い研究です。
http://www.nagano-c.ed.jp/seiho/intro/risuka/2009/2009-9.pdf
調べてみると、これは長野県木曽青峰高校の吹奏楽部の学生が研究したもののようです。高校生の研究なので、深い音楽理論や科学的な根拠を求めた本格的な研究ではないですが、久石譲とその他の類似している楽曲について、和声進行等を調べて、その調べた和声進行を一覧表にしてくれているので見ていて参考になります。
このpdfの中にある最終的な結論として、久石譲の曲になる条件というのは次のように書かれていました。
- 複雑な和音を多用する
- 曲(フレーズ)の始まりに、主音(Ⅰ)以外の和音も取り入れる
- 細かく転調する
- アウフタクトを多用する
- ミニマル・ミュージックの要素を取り入れる
これだけ見るとかなりざっくりとした感じがしますが、細かい話は元のpdfを参照して下さい。言われれば確かにそんな気もします。
ということでちょっとこれらを意識して即興演奏をしてみることにしました。
上の条件を意識した場合と、そうでない場合の比較です。
こちらは条件を無視して自分なりに素敵な感じになるよう弾いた曲。上の条件を意識しない場合の比較材料です。2分40秒くらいあります。検証用なのに長くなってしまいました。ごめんなさい。
そして、こちらはいろいろと上の条件を意識。まずは曲の始まりはトニックではなくVIから始め(条件2)、その流れを繰り返し(条件5のミニマル・ミュージックを意識して)、さらにアウフタクトをやたらと意識して(条件4)、かつ借用和音を使う(条件3)。こちらも1分半くらいで長くてごめんなさい..
比べてみるとどうでしょうか?条件を意識した方が久石譲に近づいているのでしょうか?
うーん、正直何か違う。ていうか検証なんだからコード進行くらい合わせろって感じですね..
そして、上の条件をすべて意識しようとすると、私の力量不足で結構こんがらがってしまうので、条件をどのくらい満たせているのかも疑問です。
そもそもどうやって比較すればいいんでしょうか。結局雰囲気が久石譲っぽいって個人的な感覚になってしまうので、論理的に数値で比較とかは難しいです。
ということで、結局ぐだぐだな検証に終わってしまいましたが、とりあえず、久石譲の楽曲を作れるようになる研究をする高校生がいるほど、久石譲の楽曲は人気が高いということは確かです。
そして、久石譲っぽい素敵な楽曲を作るにあたってこのpdfの一覧表は印刷して持っておきたい一品ということも確かです。